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個人年金保険のデメリット|入る前に必ず確認すべき落とし穴とは?

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個人年金保険のデメリット|入る前に必ず確認すべき落とし穴とは?

老後に向けた貯蓄として個人年金保険を検討していると、長期間の契約なのでデメリットがないか気になってしまいますよね。

個人年金保険には、加入時点で定期預金より利率が高いというメリットがありますが、実は落とし穴もあります。もし、そのことを知らずに加入すると、将来、後悔することになるかもしれません。

ここでは、その落とし穴となる5つのデメリットをわかりやすく解説するとともに、意外に知られていない個人年金保険の大きなメリットもあわせて紹介しています。さらには、デメリットを回避して上手に老後資金を準備するためのとっておきの貯蓄プランも提案していますので、この記事を読めば、あなたにとって個人年金保険が魅力的かどうか、メリットに対してデメリットを許容することができるかどうかを、自分で判断できるようになれます。

1.必ず知っておくべき個人年金保険の5つのデメリット

公的年金の将来性に不安もある中、老後に向けた貯蓄として真っ先に思いつくのが個人年金保険ではないでしょうか? 老後の生活資金の準備に適した保険であることは確かですが、実は気をつけたほうがよいデメリット・注意点があることも事実です。

以下の5つのデメリットについて加入前に十分に理解しておきましょう。

1-1. 途中で解約すると損をする

デメリット1つ目は、個人年金保険を途中で解約すると損をするということです。
個人年金保険を解約すると解約返戻金が戻ってきますが、基本的にその金額はそれまでに支払った保険料の総額よりも下回ります。特に加入してから3年目くらいまでの返戻率は低くなっていますので注意が必要です。

<個人年金保険の解約返戻金の例>
 A社 個人年金保険(10年確定年金)
 被保険者:30歳男性
 年金額:年60万円(受取開始年齢60歳)/年金支払期間10年(確定)
 保険料:月額15,582円

加入年数 支払保険料総額 解約返戻金  返戻率 
1 186,984円 79,200円  42.3%
2 373,968円 252,180円 67.4%
3 560,952円 427,020円  76.1%
5 934,920円 782,460円  83.6%
10 1,869,840円 1,705,260円  91.1%
20 3,739,680円 3,615,420円 96.6%
26 4,861,584円 4,870,920円  100.1%

このように個人年金保険は、年金受取開始年齢近くを除き、解約した場合にはたいてい元本割れしてしまいます。加入する場合には途中で解約することがないようなプランにすることが大切です。

1-2. 大きなリターンはない

デメリット2つ目は、個人年金保険の利率は低く、お金が大きく増えるわけではないということです。
上記例の個人年金保険について支払う保険料の総額と受け取れる金額の関係をみてみると、10年間の年金総額は支払った保険料の107%で、30年の積み立てで7%しか増えていません。

■個人年金保険の返戻率
1-1の事例の保険契約の場合

保険料総額 一括受取の金額 年金総額
5,609,520円 5,695,920円
※返戻率 101.5%
6,000,000円
※返戻率 107.0%

このケースで月々の保険料が年利何%で運用されているかを計算すると、年金受取開始までの積立期間は約0.098%、年金受取期間は約0.957%となります。現在の銀行の定期預金金利が0.01%(2016年10月20日時点)ですので、それよりは高いです。しかし、長期投資なら元本割れリスクが比較的小さくなるタイプの投資信託には、もっと大きな収益率が期待できるものもあります。

たとえば、分配金が高くて長期投資をすれば元本割れリスクが小さくなるJ-REITを投資対象とした投資信託のトータルリターン(一定期間に得られる総合収益の年換算率)をみてみると、10%を超える比率で増えることも期待できます。

■投資信託(J-REIT)のトータルリターン
日興-インデックスファンド Jリート ※2016年10月26日時点

加入年数 1年 3年 5年
1年間の収益率 11.85% 9.51% 18.35%

もちろん、J-REITの価格変動によりこの率が下がったり、タイミングによってはマイナスになる期間もあると思います。また、この数値は積み立てで増やす場合の利回りではありませんので、上記個人年金保険の利回り・返戻率と単純比較はできませんが、このような商品と比べると、個人年金保険はお金が増える貯蓄商品とはいえません。

※上記投資信託の収益率は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。また投資信託のリターンの一例として紹介したものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の判断はご自身で行ってください。

1-3.今は固定金利が不利で、インフレに弱い

デメリット3つ目は、個人年金保険(定額型)は固定金利の長期貯蓄なので、低金利の今は不利で、インフレに弱いということです。

1-3-1.固定金利が不利な理由

よく、住宅ローンを借りるときに変動金利にするか固定金利にするかという話をすると思いますが、貯蓄の場合にも変動金利がよいか固定金利がよいかという選択が必要です。

一般的に資産運用をするときには、これから金利が上がっていきそうな場合は変動金利を選ぶのが基本です。これから金利が上がるのに低い金利で固定してしまうのはもったいないですよね。この反対で、これから金利が下がっていきそうな場合は固定金利を選ぶのがよいとされます。

現在は、超低金利時代で貯蓄商品の金利は限りなく0%に近い状態です。どんどん金利が上がるような経済状況ではないでしょうが、そもそも物理的にはこれ以上金利は下がりようがないところまで落ちています。基本的には、今の低い金利を何十年も固定して決めてしまうような金融商品はおすすめではありません。

1-3-2.インフレに弱い理由

インフレに弱いというのは、前節の固定金利の話と重なる話ですが、インフレという観点で説明します。

■インフレとは

インフレとは物価が上昇することです。
例えば、貯蓄をしてお金が年に10%増えたとしても、世の中の物価が年に20%上昇したとしたら、お金の価値自体は下がったことになります。これを具体的に言うと、現在バナナが1本100円だったとして、100円を貯金すると1年後に110円になり、バナナは1年後に120円に値上がりするということと同じです。今はバナナを1本買えるお金(100円)が1年後には金額は増えていてもバナナ1本を買うことができない状態になるということです。

個人年金保険は、固定金利の商品です。何十年も金利が固定されるので、もしその金利よりも大きい比率でインフレが進むと、先ほどのバナナの例のようにお金の金額は増えたとしてもその価値は下がってしまうというリスクがあります。もちろん、その逆でインフレ率が下がったり、デフレが起こると相対的にお金の価値が上がるということになります。

インフレになったときのリスクを考えると、変動金利の貯蓄商品の方が金利が上がる可能性がある分、インフレに対応できるといわれています。

1-4. 終身年金などは早死にすると損をする

デメリットの4つ目は、年金の受け取り方によっては早死にした場合に損をするということです。
個人年金保険は、加入するほうからすると、基本的には支払った保険料の総額よりも受け取る年金の総額が多くなることが前提となります。

しかし、終身年金という生きている限りずっと年金を受け取れる商品の場合は、年金受取開始後、早い時期に死亡してしまうと、受け取れる年金の額が元本割れしてしまいます。有期年金というタイプも年金受取期間中に死亡すると、以後の年金支払いはなくなりますので同様に損をする場合があります。

このようなことを避けるには、生死にかかわらず受け取れる年金額が保証されている確定年金を選ぶとよいでしょう。

1-5. 生命保険会社が破綻すると損をする

デメリットの5つ目は、加入した個人年金保険を販売した生命保険会社がもし破綻してしまったら損をするということです。
実際に生命保険会社が破綻するリスクは小さいので、過度に気にする必要はありませんが、もし破綻した場合には影響があります。

一般的な銀行の預金であれば、もし銀行が破綻しても銀行ごとに1人あたり元本1,000万円までは預金保護機構により保護されます。一方で生命保険の場合は、生命保険会社が破綻すると生命保険契約者保護機構が救済してくれるので保険契約は維持されますが、保険金が削減されるなどの措置をとられることがあり、個人年金保険の場合は元本割れしてしまう可能性が高くなります。

たとえば、2008年に破綻した大和生命保険では、30歳で契約した個人年金保険の年金額は15~80%削減されました。

■大和生命破綻時の年金減額率
12年保証期間付終身年金保険逓増型(65歳年金開始)

契約者 年金の削減率
2007年度 1999年度 1991年度
30歳男性 15% 42% 76%
30歳女性 16% 48% 80%

過去の貯蓄性の高い商品なので、現在の商品に単純にあてはめることはできませんが、このように生命保険会社が破綻してしまったときには、貯蓄型の保険は大きく保険金等が削減される可能性が高いです。その場合は、元本割れになる覚悟は必要です。

2. 一方で、個人年金保険料控除という大きなメリットもある

個人年金保険にはここまでみてきたようなデメリットがあります。しかし、その反対に個人年金保険料控除という節税メリットがあることも事実です。個人年金保険に入るかどうかは、そのメリットも確認した上で判断した方がよいでしょう。

2-1. 個人年金保険料控除で節税できる

個人年金保険料控除は、1年間に支払った生命保険料の金額に応じて所得税が軽減される生命保険料控除の一区分です。個人年金保険の保険料は、一定の条件を満たせば、生命保険や医療保険などとは別枠の個人年金保険料控除を受けることができるため、すでに一般の生命保険料控除を使い切っている人でも、追加で控除を受けることができます。

ちなみに個人年金保険控除の対象になるには、以下の条件に該当しなければなりません。

  • 年金の受取人が保険料支払人(契約者)かその配偶者であること
  • 年金の受取人が被保険者であること
  • 保険料の払込期間が10年以上であること
  • 年金の支払開始が60歳以上で、支払期間が10年以上あること

2-2. 節税額は数十万円にもなる!

実際に個人年金保険料控除を利用すると、どれくらい税金が安くなるのでしょうか?

30歳男性の会社員が、60歳まで保険料を月払いで支払っていき、60歳から毎年60万円の年金を10年間受け取れる個人年金保険に加入した場合でシミュレーションしてみましょう。

< 加入例(契約内容)>
 A社 個人年金保険(10年確定年金)
 契約者・被保険者・年金受取人:30歳男性
 保険料払込期間:60歳満了
 年金開始:60歳
 年金額:60万円(10年で600万円)
 月額保険料:15,582円(総支払額は5,609,520円)

この場合、1年間の支払保険料額は186,984円で、個人年金保険料の控除額は所得税40,000円、住民税28,000円となります。この控除額に対する節税効果は以下の表のようになります。

■個人年金保険料控除の節税効果
控除額が所得税40,000円、住民税28,000円のときの節税効果

  所得税率10%の場合
(課税所得195万円超330万円以下)
所得税率20%の場合
(課税所得330万円超695万円以下)
税金の軽減額
(年間)
所得税 4,000円
住民税 2,800円
合計 6,800円
※年間保険料に対する割合3.6%
所得税 8,000円
住民税 2,800円
合計 10,800円
※年間保険料に対する割合5.8%
30年間の軽減額 204,000円 324,000円

※ここでは復興特別所得税は考慮していません

この個人年金保険料控除のシミュレーションでは、年間の税金が、所得税率10%の人で6,800円(支払保険料の3.6%)、所得税率20%の人で10,800円(支払保険料の5.8%)安くなることになります。このように支払った保険料に対して3.6%あるいは5.8%の節税効果があるということは、見方を変えればそれだけの利息がついたのと同じようなことといえます。
また、30年間の合計節税額は、所得税率10%の人で約20万円、20%の人で約32万円ということになります。

個人年金保険のデメリットとして、利率がよくない、インフレに弱いという話をしましたが、この個人年金保険料控除による節税効果はそれらを補えるくらいに大きなメリットといえます。

なお、個人年金保険料控除の活用プランについては「個人年金保険の保険料控除でトクする金額と6つの注意点」をご覧ください。

3. 結局、個人年金保険には入るべきなのか?

個人年金保険のデメリットとメリットを比較すると、結局入ったほうがいいのか、入らないほうがいのかどっちなのでしょうか?

それには、個人年金保険のデメリットを避けられるような条件を満たせるかどうかということや、どのような貯蓄の仕方をしたいかということが関係してきます。

個人年金保険による貯蓄をしてもよさそうな人は以下の条件に合う人です。

個人年金保険に加入してもよい人

  • 途中解約する可能性が低い人(安定収入、余裕資金がある)
  • 株などのリスク資産を避けたい人
  • 大きなインフレは起きないと予想する人
  • 個人年金保険料控除の対象となる条件を満たせる人

また、ここでは、個人年金保険に入ったほうがよいか、入らないほうがよいかとう話をしていますが、実は老後の貯蓄という意味では、そのような2択ではありません。他の金融商品も含めた貯蓄プランを組むこともできます。

4. インフレリスクが気になる人は分散貯蓄がおすすめ

個人年金保険に加入してもよい人の条件をあげましたが、どうしてもインフレリスクというデメリットが気になるという場合は、他の貯蓄商品と組み合わせた分散貯蓄をおすすめします。

4-1.分散貯蓄がおすすめな理由

たとえば、老後に向けた積立資金全額を個人年金保険で貯蓄すると、インフレが起こったときに積立額全額が影響を受けます。しかし、積立資金の1/2を個人年金保険に、残りの1/2を変動金利などの個人年金保険よりもインフレに対応しやすい貯蓄商品に振り分けて貯蓄すると、資産の半分はインフレの影響を受けても、残りの半分は影響が軽減されます。

このように、インフレリスクを考慮した場合、個人年金保険と他の貯蓄商品を上手く組み合わせることで、インフレの影響を受けにくくすることにつながります。

4-2. 分散貯蓄に使える金融商品

インフレ対策の分散貯蓄に使えそうな身近な貯蓄商品をいくつか紹介します。

・定期預金
定期預金は固定金利の商品ですが、預け入れ期間を1~2年の短期にしておけば、満期が来て預け直しになるたびにその時点の金利が適用されるので、長期でみれば変動金利のような使い方ができます。
もともとの金利は個人年金保険よりも低いですが、インフレ時などで、金利が上がっていけばその変化が反映されます。

・個人向け国債(変動10年)
個人向け国債には変動10年という商品があります。この国債は、世の中の金利の動きに合わせて半年ごとに適用金利が変わっていきます。そのため個人年金保険よりもインフレへの対応力があります。また個人向け国債には最低金利が保証されていて0.05%以下になることがないため、マイナス金利の現時点(2016年10月20日)でも定期預金よりもよい利率になっています。

また、個人向け国債には固定3年、固定5年などの商品もあります。これらの商品も、3年ごと5年ごとに再投資すれば、その都度そのときの金利が適用されることになります。
個人向け国債は毎月発行され、1万円から購入できるので、少額から積立のように購入していくことができます。

なお、今回はインフレ対策の分散貯蓄商品として、定期預金や個人向け国債という元本保証性が高い金融商品を紹介しましたが、もし少しはリスクが取れるという人であれば、個人年金保険と組み合わせる残りの1/2の資金を投資信託(長期投資なら価格変動リスクを軽減できるREIT投信など)に振り分けてもよいでしょう。

5. まとめ:分散貯蓄でデメリットを解消して賢く貯蓄を!

個人年金保険には個人年金保険料控除という節税メリットがあります。この節税効果をフルで活用できれば、個人年金保険はかなりお得な貯蓄商品といってもいいでしょう。しかし、その一方で、インフレに弱い、リターンは大きくないなど、いくつかのデメリットもあります。

加入前には、こういったデメリットをきちんと把握して、自分にとって満足のいく貯蓄効果が得られるかどうかを見極めることが大切です。

なお、インフレリスクについては、そのデメリットを軽減できる分散貯蓄という考え方もあります。積立資金の半分を変動金利または変動金利的に活用できる金融商品に振り分けて、リスクを軽減する貯蓄方法です。老後資金の準備だからといって、個人年金保険だけで考える必要はありません。できるだけ幅広い視野でその他の金融商品もあわせて検討して、貯蓄や資産運用を考えるようにしましょう。

個人年金保険の具体的な商品内容については、LIFULL保険比較サイトで詳細を確認したり見積りや相談をすることができます。また保険ショップで相談したいときには、LIFULL保険相談サイトから保険ショップの検索や予約をすることができます。
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※記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。
※掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。また個別の保険商品の内容については各商品の約款等をご確認ください。

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