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2018-01-30

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個人年金保険にかかる税金の基本と最もトクする受取方法

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個人年金保険にかかる税金の基本と最もトクする受取方法

個人年金保険の年金を受け取るときには税金がかかります。しかも、面倒なことに契約内容や年金の受け取り方によって、かかってくる税金が違ってきます。

それなら、できるだけ税金が安くなる受け取り方をしたいですよね。
ところが、税金を安くすることだけを考えていると、結果的に受け取れる金額が少なくなる場合があるのです。

この記事では、個人年金保険の年金受取時の税金について基本的なことを解説し、その上で、できるだけ多くの年金を受け取るための方法をわかりやすく紹介しています。また、あわせて確定申告の必要性や途中解約時の税金、生命保険料控除など、個人年金保険に関する税金についての知識のすべてをわかりやすくまとめていますので、ぜひお読みいただき、個人年金保険をお得に活用できるようになってください。

1. 個人年金保険をお得に受け取るための2つのポイント

個人年金保険の年金にかかる税金は、契約内容や年金の受け取り方によって変わってきます。場合によっては、税金が多くかかってしまうこともありますし、税金のことばかり気にしていると結果的に受取額が減ってしまうこともあります。

せっかく貯蓄してきた年金でそのような失敗をせず、できるだけ多くのお金を受け取るためにおさえておくポイントはズバリ、以下の2つです!

  • 保険料負担(支払)者と年金受取人は同一にする
  • 年金開始時に一括受け取りをせず、毎年、年金を受け取る

この2つは、個人年金保険に加入するときや年金を受け取るときの大切なポイントです。ひと言でまとめると、「自分の個人年金保険は自分で保険料を支払って、規定どおり毎年、年金を受け取る」ということになります。その理由については、次章以降で詳しく解説していきます。

2. 年金受取時にかかる税金の違い!(前提となる知識)

なぜ、「自分の年金は自分で保険料を支払って、規定どおり毎年、年金を受け取る」のが一番いいのかを具体例をあげて説明するには、まず前提として、年金受取時にどのような税金のかかり方をするのかを知っていただかなくてはなりません。

以下にわかりやすく説明しますので、参考にしてください。細かい理由は不要だという方は、この章は読み飛ばしていただいてかまいません。

個人年金保険の年金は、保険料を支払った人と年金を受け取る人の関係性により、所得税がかかるか贈与税がかかるかが変わってきます。また年金を一括で受け取るか毎年受け取っていくかで、所得の種類が変わり税金の計算方法も変わってきます。

2-1.保険料を支払った人と年金を受け取る人の関係性による違い

個人年金保険の年金は、保険料を支払った人が年金を受け取るときは所得税の対象となります。一方、保険料を支払った人と年金を受け取る人が別人のときは、年金の受取開始時にその時点の年金の評価額に贈与税がかかり、2年目以降の年金受取には初年度の評価額から運用で増えた部分に所得税がかかります。

■契約内容による税金の違い

契約内容  かかる税金の種類 該当する例
保険料負担者=受取人 所得税 保険料負担者:夫、受取人:夫
保険料負担者≠受取人 年金受取開始時:贈与税
2年目以降の年金:所得税
保険料負担者:夫、受取人:妻

通常は契約者が保険料を支払うため、契約者=受取人となる契約にすれば所得税としての課税になりますが、契約上、契約者=受取人であっても実際には別の人が保険料を支払っていると、税制上は贈与税の対象となります。たとえば、妻が契約者で、かつ、年金受取人となっている個人年金保険の保険料を、実際には夫が支払っていると贈与税がかかることになります。ご注意ください。

2-2.一括で受け取るか年金で受け取るかによる違い(所得税のケースで)

保険料を支払った人が年金を受け取り、所得税の対象となる場合でも、一括で受け取るときには一時所得という所得区分で課税され、年金として毎年受け取るときは雑所得という所得区分で課税されるという違いがあります。

■受け取り方による所得の扱いの違い

受け取り方 所得種類 所得の計算方法
一括受取 一時所得
※ただし保証期間付終身年金の場合は雑所得
総収入金額-必要経費-50万円(特別控除)
※この計算結果の1/2が課税所得
毎年受取 雑所得 総収入金額-必要経費

年金を一括で受け取るときは、原則、一時所得となりますが、保証期間付終身年金の保証期間部分を一括で受け取るときは雑所得となります。これは、たとえ一括で受け取っても、保証期間終了後に生存していたら年金の受け取りが始まるので、全額一括の受け取りではないからです。

3. お得な受け取り方の検証事例(モデルケースによる計算事例)

個人年金保険の課税のされ方がわかったところで、それぞれの課税パターン別に税金の額を計算してみましょう。

なお、税金の計算は、モデルケースとして以下の加入条件で個人年金保険に加入していたとして説明します。

■モデルケース

契約者:30歳男性(=保険料負担者=年金受取人)/年収は所得税率10%に該当
保険料払込期間:60歳満了
年金開始:60歳
年金額:60万円(10年で600万円)/一括の場合 5,695,920円
月額保険料:15,582円(総支払額は5,609,520円)
※ここでは配当金で買い増しされる年金額は考慮しないこととします

各課税パターンの税額だけ知りたい方は「3-4.各課税パターンの税額の比較」をご覧ください。

3-1. 一時所得の計算方法(保険料負担者=年金受取人|一括受け取り)

年金(保証期間付終身年金を除く)を一括で受け取ったときには、一時所得として所得税がかかります。

一時所得の計算方法は、[総収入金額-必要経費-50万円(特別控除)]です。
個人年金保険の年金の場合は、受け取る年金額が総収入となり、支払った保険料が必要経費となります。

この式にモデルケースをあてはめると、一時所得の金額は
5,695,920円(一括の場合の年金額) -5,609,520円 -50万円 = 0円(-413,600円)
となります。

この場合、一時所得の特別控除により一時所得の金額は0円となり、結果的に税金はかかりません

3-2. 雑所得の計算方法(保険料負担者=年金受取人|年金受け取り)

本来の年金の受け取り方どおり、毎年年金を受け取る場合は雑所得となります。

雑所得の計算方法は、[総収入金額-必要経費]です。
個人年金保険の年金の場合は、受け取る年金額が総収入となり、支払った保険料が必要経費となります。この場合の必要経費は、支払った保険料の合計額と年金の受け取り総額の比率に応じて計算します。

<個人年金の必要経費の計算方法>

年金(年額)× 払込保険料合計額/年金受取合計額

この式にモデルケースをあてはめて計算すると、必要経費は
60万円×5,609,520円/(60万円×10年)= 560,952円
となります。

したがって、雑所得の金額は
60万円-560,952円=39,048円
となります。

実際の税金は、他の所得があれば他の所得と合算してトータルの所得額に課税されますが、所得税率が10%なら60万円の年金の受け取りには3,904円の税金がかかることになります。
※ここでは復興特別所得税は考慮していません

3-3. 贈与税の計算方法(保険料負担者≠年金受取人)

個人年金保険の保険料を負担した人と別の人が年金を受け取るときには贈与税がかかってきます。

その贈与税は、年金受け取り開始時の段階で今後受け取ることができる年金の権利(年金受給権)の評価額対してかかりますが、年金受給権評価額は、(1)解約返戻金の額、(2)一括で受け取るときの金額、(3)予定利率等をもとに計算した金額のうち、もっとも大きい額となります。

ここでは、モデルケースの一括受取金額 5,695,920円として贈与税額を計算します。

贈与税には基礎控除があり、基礎控除110万円を差し引いた額に税金がかかります。
モデルケースの場合、他の贈与がないとすると、課税価格は
5,695,920円 - 1,100,000円 =4,595,920円
となります。

そして、このときの贈与税額は、下記の贈与税率表から計算すると、
4,595,920円 × 30% - 65万円 = 728,776円
となります。

このように贈与税になると、受け取る年金にかかる税金が非常に大きくなってしまいます。

さらに、この場合に年金を毎年受け取っていくと、10年間に受け取れる年金額600万円から贈与税の対象となった5,695,920円を差し引いた金額相当額に雑所得がかかります

■贈与税率

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

3-4. 各課税パターンの税額の比較

今回のモデルケースにおいて、計算してきた各課税パターン別の税金の額をまとめると以下の表のようになります。

■モデルケースにおける年金の受け取り方による税額の比較

受け取り方 税金額
一時所得による課税(一括で受け取る場合) 0円
雑所得による課税(毎年受け取る場合) 39,040円

このモデルケースでは、最も税金が少なくなる受け取り方は一括で受け取る場合となります。

4. 保険料負担(支払)者と年金受取人を同一にすべき理由

3-4.の表を見ていただくと一目瞭然です。保険料負担者と年金受取人が別人で贈与税の対象になった場合は、通常の所得税の課税と比べて桁違いに高い税金がかかります。高額な税金がかからないようにするためには、保険料を支払う人と年金を受け取る人は同一人物にするようにしましょう。

もし、既に保険料負担者と年金受取人が別の契約をしているという場合は、途中からでも契約内容を変更して契約者と年金受取人を同一人物にすることをおすすめします。ただし、契約を変更しても、変更前の保険料支払分の年金には贈与税がかかり、変更後の年金に所得税がかかるという扱いになります。

5.一括受け取りをせず、毎年、年金を受け取るべき理由

3章でみたように、税金が少なくてすむという視点だけでみれば、個人年金保険は年金として受け取るよりも一括で受け取った方がよいということになります。しかし、一括で受け取る場合の一時金の額は、年金で受け取る場合の年金総額よりも小さくなるため、手元に入ってくるお金も少なくなります。

■モデルケースの場合の受取額の違い

受け取り方 受取額(総額) 税金額(総額) 手元に残る金額
年金で毎年受け取る場合 6,000,000円 39,040円 5,960,960円
一括で受け取る場合 5,695,920円 0円 5,695,920円

このように、年金受取の場合の方が税金を多く払わなければなりませんが、手元に入ってくるお金は265,040円多いということになります。

年金は10年間に少しずつ受け取っていくので、一括で受け取っても、そのお金を別途、資産運用で増やすことができればその差は埋められます。しかし、このモデルケースの場合で、理論的には年利1%程度で運用しなければ、年金での受け取りと同額にはなりません。また運用で増やした場合は、その利益について20%の課税がありますので、余程資産運用が上手な人でなければ、原則的には年金で受け取った方が、やはり多くのお金を受け取れることになります。

個人年金保険の運用利率以上で運用できる人であれば、そもそもはじめから個人年金保険を選ばず他の運用方法を選んだ方がよいでしょう。

6. 年金受取時に確定申告が必要な人

年金受取時の税金について、もう一つ気になることは確定申告の必要性ではないでしょうか?
確定申告が必要かどうかは、個人年金保険の年金額だけでは判断できず、その他の所得があるかどうか、扶養者がいるかどうかなどで変わってきますので一律に語ることはできませんが、以下のような条件を大まかな目安にしてください。

<給与所得がある人>
定年退職後、継続雇用されていたり再就職をして会社から給与を受けながら個人年金保険をもらっているという場合、給与所得や退職所得以外の所得の合計が20万円を超えたら確定申告が必要です。

給与以外の所得が個人年金保険の年金だけであれば、一般的には雑所得や一時所得が20万円を超えるケースは少ないでしょう。
ただし、予定利率が高かった時代のお宝保険といわれる個人年金保険や高額な年金契約の場合などは、20万円を超えてくる可能性があります。

<公的年金の受け取りがある人>
公的年金の額が400万円を超えている場合や、400万円以下でも源泉徴収されていない場合、公的年金以外の所得が20万円を超えている場合は確定申告が必要です。

つまり、公的年金を受け取っていて以下の条件のいずれかにあてはまる人は確定申告が必要です。

  • 公的年金が400万円超ある
  • 源泉徴収されていない公的年金を受け取っている
  • 公的年金以外に20万円超の所得がある
    ここに個人年金保険の雑所得や一時所得も含まれます

<その他>
個人年金保険による所得や他の所得も含めた所得額から、基礎控除など各種所得控除を差し引いて残額がある場合は、確定申告が必要です。

なお、確定申告が不要となるケースであっても住民税の申告が必要なことがあります。詳しくはお住まいの役所にお問い合わせください。

7. 個人年金保険に関するその他の税金

個人年金保険は、年金を受け取るときの税金以外にも、途中解約時の税金や保険料支払時の保険料控除など、税金にかかわる事項があります。

7-1. 途中で解約したときにかかる税金

個人年金保険を途中で解約すると、解約返戻金が戻ってきます。この解約返戻金にも税金がかかる場合があります。

7-1-1.保険料負担者=解約返戻金の受取人のとき

保険料を支払っている人と解約返戻金を受け取る人が同一人物のときで、解約返戻金がそれまでに支払った保険料の総額より大きい場合、支払った保険料よりも増えた部分(金額)に所得税がかかります。

■個人年金保険の所得税

確定年金を5年以内に解約したとき 源泉分離課税(20%)
上記以外 一時所得として総合課税

ただし、老後に向けて保険料を支払っていく通常の個人年金保険の場合、途中解約で利益が出るケースはほとんどありません。年金受取年齢に近くなってからの解約で利益が出た場合でも、余程大きい金額の契約でなければ一時所得で実際に税金がかかるようなケースはあまりないでしょう。

7-1-2.保険料負担者≠解約返戻金の受取人のとき

保険料を支払っている人と解約返戻金を受け取る人が別人のときは、受け取った解約返戻金全額が贈与税の対象となります。

贈与税の税率や計算方法については、「3-3.贈与の計算方法」と同様ですので、そちらをご参照ください。

また、個人年金保険の解約時の税金やリスクについては「個人年金保険の解約リスクと年金を残すための3つの方法」をご参照ください。

7-2. 保険料支払い時の生命保険料控除

個人年金保険に加入して保険料を支払っている人は、生命保険料控除を受けることで毎年の所得税を安くすることができます。

生命保険料控除は、その年に支払った保険料に応じて一定額を所得から差し引くことができる制度です。生命保険料控除には、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の3つの区分があり、一定の条件を満たした個人年金保険の保険料は、個人年金保険料控除という区分で、一般の生命保険や医療保険とは別枠の所得控除があります。

その控除額は、所得税で最高40,000円(旧制度なら50,000円)まで、住民税で最高28,000円(旧制度なら35,000円)までとなっています。所得税率が10%なら、新制度の場合で所得税と住民税をあわせて、6,800円の節税効果があります。
※ここでは復興特別所得税は考慮していません

個人年金保険料控除の対象となる条件

  • 年金の受取人が保険料支払人(契約者)かその配偶者であること
  • 年金の受取人が被保険者であること
  • 保険料の払込期間が10年以上であること
  • 年金の支払開始が60歳以上で、支払期間が10年以上あること

なお、上記条件にあてはまらない個人年金保険の保険料は、一般生命保険料控除の対象となります。
個人年金保険料控除のメリットについては「個人年金保険の保険料控除でトクする金額と6つの注意点」をご覧ください。

8. まとめ:通常は契約者本人が年金で受け取るのがお得

個人年金保険の年金にかかる税金をできるだけ少なくして、かつ受取額も大きくしたい場合は、保険料負担者と年金受取人が同一人物であることが絶対に必要な条件です。

そして、年金の受け取り方も、将来経済情勢が変わっていて一括で受け取って自分で運用した方が資産を大幅に増やせるという場合を除いて、通常は年金として毎年受け取った方が最終的に受け取れる金額は多くなります。

最も気をつけなければならないことは、保険料を支払っていき、せっかく積み立てていった年金が贈与税の対象となることです。そうならないように契約内容や実際の保険料負担者の状況を早急に見直すことをおすすめします。

最後に、個人年金保険の受け取りで失敗をしないための2つのポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 保険料負担(支払)者と年金受取人は同一にする
  • 年金開始時に一括受け取りをせず、毎年、年金を受け取る
将来の税金のことも含めて、個人年金保険のご加入・ご相談ができます!
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その他、生命保険にかかわる税金についての記事はコチラ↓

※記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。
※掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。また個別の保険商品の内容については各商品の約款等をご確認ください。

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