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生命保険がピンチ!?マイナス金利が引き起こす値上げラッシュ!?

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生命保険がピンチ!?マイナス金利が引き起こす値上げラッシュ!?

日本銀行(以下、日銀)がマイナス金利を導入したことで、銀行の預金や住宅ローンの金利が下がって、私たちの生活にも影響が出てきていますが、生命保険の分野でも一部の商品の販売停止や保険料の値上げが始まっています。

しかし、生命保険への影響はまだまだ序章でしかなく、これからもっと影響範囲が広がってくると考えられます。なぜなら、マイナス金利が続けば、生命保険という長期契約で、かつ利率の決まっている金融商品を扱う生命保険会社にとっては大きな問題だからです。

そして、生命保険に影響がでると、保険に加入しようとする私たちにも影響が及びます。保険で失敗してしまうこうとがないように、保険料の値上げなど、これから生命保険に起こるであろう変化を想定して防衛していくことが大切です。

(追記)
2017年4月からの保険料値上げの状況については「生命保険の一斉値上げ|2017年4月に保険料が上がる理由と対応策」をご覧ください。

1. マイナス金利で保険料がこんなに上がった!

マイナス金利が導入されてから、各生命保険会社は一時払終身保険や一時払年金保険の販売を停止したり、保険料を値上げしたりしています。

値上げとなった保険については、どれくらい保険料が上がったのでしょうか?

一時払終身保険を値上げしたA社の場合をみてみましょう。

なお、一時払終身保険は、死亡保障が一生涯続く終身保険で、加入時に全ての保険料を一括して支払うタイプの保険です。一定年数がたって保険を解約すると、支払った保険料以上になってお金が戻ってくるので、資産運用のための商品として利用されます。

この保険は、50歳男性が保険金1,000万円ので加入した場合、契約時に支払う保険料は8,740,900円でしたが、今回の改訂により9,374,700円となり、なんと約63万円も値上がりしました。

■A社、一時払終身保険の保険料改定(2016年4月より)

A社、一時払終身保険の保険料改定(2016年4月より)

一度に900万円近い保険料を支払う保険になんか入らないよと思った人もいるかもしれません。それでは、保険金300万円で加入したとしたらどうでしょう。

保険料は、2,622,270円から2,812,410円へと約19万円上がります。

貯蓄のための保険ですから、これくらいの金額を運用することは十分にあるのではないでしょうか?

ちなみに、今この保険に保険金300万円で加入すると、2,812,410円の保険料を支払い、10年後の解約返戻金は約282万円、15年後は約285万円となります。銀行の定期預金よりはマシですが、たいして増えはしません。

今は、このような影響は一部の貯蓄用の保険にしか顕在化していませんが、まもなく普通の生命保険にも影響が広がってくると思われます。

2. なぜ、マイナス金利で生命保険がピンチなのか?

どうしてマイナス金利の影響で、生命保険が値上げされるのか?
その理由がわかると、実は単に保険料が上がるというだけでなく、生命保険会社自体も結構ピンチになるかもしれないということがわかります。

金利動向など専門的な話は、経済紙やマネー誌などほかの記事にゆずるとして、ここではおおまかに何が起こっているかをつかめるような説明にとどめたいと思います。 

2-1. 日銀のマイナス金利で世の中の金利が下がる

日銀のマイナス金利は、一般の銀行が日銀に預けるお金の一部について金利がマイナスになるということです。

この一文だけで、もう難しい話が始まりそうな感じですね。ここは金融のしくみを勉強する場所ではないので、細かいしくみはおいておき、簡単に一言でまとめます。

日銀は、日本の金融政策を決めるところです。その日銀が、マイナス金利を導入したということは、世の中の金利を下げようとしているということです。

このことは、ここ2~3月のニュースをみてみても、長期金利が低下したとか、銀行の預金金利や住宅ローンの金利が低下したなどの話が続いていて、既に実感できているのではないでしょうか?

住宅を買う人には、ローン金利が下がってうれしいところですが、そうでない人にとっては、銀行にお金を預けてもほとんど増えないという困った状況になってしまっています。
実は、このように困るのは私たちだけでなく、生命保険会社も同様なのです。

2-2. 生命保険会社が運用に困る

生命保険会社が運用に困る生命保険会社は、生命保険を販売して保険料を受け取ると、その保険料から経費となる部分を除いて、将来の保険金等の支払いに備えた積み立てをします。もちろん、その積立金は、単にそのまま保管しているのではなく、いろいろな資産に投資して運用しています。

ここまでで、だいたい想像がつくことと思いますが、世の中の金利が全体的に下がっていたら、生命保険会社だって、運用で思うようにお金を増やすことができなくなります。

保険の積立金は、一部株式などにも投資されていますが、将来、保険金として支払う金額が決まっているので、あまりリスクを負った運用はできず、公社債などへの投資が多くなります。プロが運用していても金利の影響を大きく受けてしまいます。

2-3. 運用に困ると、保険金が払えなくなる(経営が行き詰る)リスクが生じる

生命保険会社が思うように運用できないということは、実は大変な問題です。

なぜなら、変額保険を除いて、一般の保険は将来支払われる保険金の額が決まっているからです。つまり、保険契約では、将来、契約した保険金を支払うために、いくら保険料を受け取って、それをどれくらいの利率で運用するかということをあらかじめ約束しています。もし、その予定通りの利率で積立金を運用できなくても、生命保険会社は契約者に契約通りの保険金を支払わなければなりません。運用がうまくいかなければ、生命保険会社が足りない分を補てんすることになります。

生命保険会社が、常に補てんをしなければならない状態になったら、それは、まさにバブル崩壊後に問題となった「逆ざや」状態です。そんな状況が続けば、生命保険会社の財務状態が悪くなり、経営破たんするということにもなりかねません。まさに生命保険会社のピンチなのです。

だから、生命保険会社は、そうならないための対策をします。

2-4. 保険の販売停止や保険料を値上げする

生命保険会社が、これまで予定していた利率で運用できなくなったとしたらどうするか?
そのまま売っても自分たちが損してしまうような保険は販売停止にするか、現在の運用利率にあわせて保険商品の設計をしなおすかしかありません。なお、後者を専門的には予定利率を引き下げるといい、そうなると保険料が上がります。

このような生命保険会社の動きがはじまって、
ここ数ヶ月の間に一時払年金保険一時払終身保険の販売停止や、
予定利率の引き下げによる保険料の値上げが起こっているのです。

契約者にとっては、保険料値上げなんてしてほしくありませんが、生命保険会社に無理をさせすぎて結局倒産ということにでもなれば、もっと不利益をこうむることになります。
それに比べれば、保険料値上げは仕方ないという側面はあります。

なお、既に加入している保険の保険料が、これから上がるということは原則ありませんので、安心してください。

3. 生命保険の種類による影響度の違い

生命保険会社の運用する利率が下がって、低い利率で設計しなおした場合すなわち予定利率が下がった場合、保険料が値上がりしますが、その値上がり方は、保険の種類によって違います。

貯蓄性の高い保険ほど、値上がり幅が大きくなり、逆に、貯蓄性の低い保険は値上がり幅が小さくなります。

たとえば終身保険は、生命保険会社からすると、いつかは必ず保険金を支払わなければならず、そのためのお金を積み立てていかなければなりません。たくさんお金を貯めるということは、運用の利率が下がったときの影響が大きくなるということです。

一方で、定期保険は、決まった保険期間に被保険者が死亡しなければ保険金を支払う必要がなく、保険料を受け取るだけですみます。終身保険ほど多くのお金を積み立てておく必要がなく、運用の利率が下がったときの影響も少なくてすみます。

また、利率の低下の影響は、運用期間が長いほど大きく、短いほど小さくなります。

これらのことを考慮すると、利率が下がって保険料が上がる影響が大きい保険と小さい保険は以下のようになります。

■予定利率引き下げが保険料に及ぼす影響

影響が大きい保険  終身保険、養老保険、個人年金保険、学資保険など
影響が小さい保険  定期保険、収入保障保険など

4. 生命保険への影響、現状と今後

生命保険会社の予定利率引き下げの影響は、保険の種類によって違うという話をしました。したがって、生命保険会社もまずは影響の大きい保険から対応を始めていきます。日銀のマイナス金利導入以後、これまで既に販売停止や保険料値上げがあったのは、そのような保険です。

4-1. これまでに販売停止や保険料値上げとなった保険

繰り返しになりますが、既に影響が出ている保険は一時払個人年金保険一時払終身保険です。

個人年金保険、終身保険は、貯蓄性が高い保険ですが、一時払のものはより貯蓄性が高くなります。これらの保険は、生命保険会社として、これまでどおりに年金や保険金、解約返戻金を支払うことが困難な保険であったということと、商品としても保障よりも貯蓄がメインの保険で販売停止や保険料値上げがしやすいかったということがいえそうです。

4-2. 今後、保険料の値上げが予想される保険

今までのところ、一時払個人年金保険と一時払終身保険にしか表立った影響はありませんが、このままマイナス金利が続くとしたら、そのほかの保険についても影響があらわれてきます。

おそらく、4月以降夏にかけて、生命保険会社から保険料の改定等が発表されるのではないでしょうか?

ここでは、どんな保険に影響が現れるかを予想してみましょう。

■今後、値上げの可能性がある保険

学資保険 可能性 高 学資保険の貯蓄性を示す指標として、支払った保険料に対して戻ってくる学資金の割合をあらわした返戻率という数値があります。100%を超えて数字が大きいほど、お金が増えることになります。現在、学資保険の返戻率は高いもので105~110%くらいありますが、保険料が上がって、この数字が下がってくることが想定されます。
個人年金保険 保険料が値上げされると、学資保険同様に、支払った保険料に対して、将来年金として戻ってくる金額が少なくなり、貯蓄効果が下がることが想定されます。
養老保険 保険料が上がり貯蓄性が今以上に下がると、商品としての魅力がなくなることにもなりますので、販売停止になる商品もあるかもしれません。
終身保険 保険料が上がることとあわせて、途中で解約した場合に戻ってくる解約返戻金の返戻率が下がることが想定されます。
その他 可能性 低

貯蓄性の低い保険は、上記の保険ほど影響はありませんので、すぐに保険料が上がることはないかもしれませんが、マイナス金利による低金利状態が長期的に続くと判断した場合などは、将来的に保険料が上がってくる可能性はあります。

※終身医療保険、終身がん保険、保険期間の長い定期保険、収入保障保険など

5. どう対策するか?

それでは、来るべき保険料値上げに向けて、どのように対応したらよいかを考えみましょう。

5-1. まさに保険に入ろうと思っている人

今、保険に入ろうかなと思っている人は、できれば保険料が値上げされる前に加入したほうがよいので、しっかり検討を始めてください。

ただし、あわてて間違った保険に入ってしまったら最悪です。急ぐあまり、「えい、や」で加入するのはやめましょう。

保険別にみると、学資保険や個人年金保険、終身保険に入ろうと思っている人は、本腰を入れて検討を始めてください。

これから保険料が値上がりしそうな保険に加入予定の方は、LIFULL保険比較をご活用ください。LIFULL保険比較では、複数の保険の保険料を比較することができます。
学資保険の比較はこちら
個人年金保険の比較はこちら
終身保険の比較はこちら

医療保険や定期保険に入ろうと思っている人は、仮に保険料が上がったとしても、上がり幅は貯蓄性の保険ほどではありませんので、あせりすぎず検討してください。

5-2. 今は保険を考えていない人

今、とくに保険の必要性を感じていない人は、あわてて保険に入る必要はありません。

生命保険は、入っていない人でも「本当は入っておいたほうがいいんだろうな」というふうに心のどこかで思っているものです。そんなときに保険料が上がると聞くと、思わず入ってしまうということもありえます。

当たり前のことですが、不要な保険に入る必要はないので、それだけはないように気をつけてください。

6. まとめ:あわてず冷静に、そして、すばやい判断を

この4月以降、保険料が上がる可能性がある主な保険は、学資保険、個人年金保険、終身保険、養老保険などです。これらの保険に入る予定がある人は、保険料値上げのニュースに注目しながら、検討を早めたほうがよいでしょう。ただし、検討不十分な状態であわてて駆け込み加入することがないように注意してください。

ちなみに、既に加入している保険の保険料が途中から上がるということではありませんので、その点はご安心ください。

なお、保険料値上げについては、各生命保険会社がそれぞれ発表していくので情報を収集するのも大変です。そこで、いま保険の加入を検討している人には、複数の保険会社の商品を扱っている乗合代理店に相談することをおすすめします。

一社専属の保険募集人であれば、その会社の情報しか入りませんが、乗合代理店にはいろいろな生命保険会社の情報が集まってきます。刻一刻と変わる各社の情報をふまえつつ、その時点でより条件のよい保険を提案してもらえることが期待できます。

【参考】貯蓄性のある保険についてこちらをご参照ください。
・「終身保険とは?|その特徴と確認すべき3つのポイント
・「3分でわかる!低解約返戻金型終身保険の基本と4つの活用法
・「養老保険とは?|特徴と加入時に確認すべき5つのポイント

※記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。
※掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。また個別の保険商品の内容については各商品の約款等をご確認ください。

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