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確定拠出年金|2016年5月の法改正のポイントと制度の概要

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確定拠出年金|2016年5月の法改正のポイントと制度の概要

2016年5月24日に確定拠出年金の改正法が成立しました。
今回の改正により、2017年1月より確定拠出年金(DC)の対象者(加入できる人)が主婦や公務員などへ一気に拡大することになります。

企業型の確定拠出年金を導入している会社で働いている人を除いて、あまり馴染みのない確定拠出年金ですが、超高齢化社会を迎えて、今後さらに重要度が高まってくると思われる年金制度です。

ここでは、今回の改正のポイントや確定拠出年金の概要をわかりやすくまとめていますので、あなたの将来のためにぜひご一読ください。

確定拠出年金がよくわからないかたは3章を先にお読みください。

1.確定拠出年金改正のポイント

2016年5月24日に成立した「確定拠出年金法等の一部を改正する法律」では、「企業年金の普及・拡大」、「働き方の多様化への対応」、「確定拠出年金の運用改善」という3つの方向性にそって制度が改正されています

この章では、そのなかでも、確定拠出年金制度の普及に向けて大きな改正となる「企業年金の普及・拡大」、「働き方の多様化への対応」について詳しく紹介します。

1-1.企業年金の普及・拡大

企業年金を普及させるための改正として、中小企業が企業型の確定拠出年金を導入しやすくなるような施策が中心となっています。

(1)簡易型DC制度の創設(2年以内)
従業員100人以下の中小企業が確定拠出年金(DC)を導入しやすいように、設立の手続きを緩和した「簡易型DC制度」を創設します。

(2)個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度の創設(2年以内)
従業員100人以下の中小企業で、個人型確定拠出年金に加入している従業員に対して、企業が事業主拠出をできるようになります。

(3)確定拠出年金の拠出規制を月単位から年単位に変更(2018年1月より)
現在、月額いくらまでと決まっている拠出額を、年額いくらという規制に変更し、年単位の拠出やボーナス月の拠出額の増額などができるようになります。

バブル崩壊以降、企業年金を実施している企業が減ってきていますが、(1)、(2)の改正により、中小企業が企業型の確定拠出年金を導入したり、導入しない場合でも福利厚生として個人型の確定拠出年金に加入している社員に補助金を出したりできるようになります。

1-2.働き方の多様化への対応

働いている会社によって企業年金があったりなかったりします。また現在は、転職により年金制度の有無を含めて違った制度の会社に移ったり、専業主婦から会社員に戻ったりすることが多くなっています。そのような場合でも個人型の確定拠出年金に加入して、継続的に老後に向けた準備をしていけるようになります。

(1)個人型の確定拠出年金の対象者の拡大(2017年1月より)
これまでは、個人型確定拠出年金に加入できるのは、企業年金や企業型確定拠出年金を導入していない会社の会社員や自営業者だけでした。しかし、今回の改正により、企業年金等を導入している企業の会社員や公務員、専業主婦なども加入が可能となります。
これにより、現役世代の人たちはほぼすべての人が自分の意思で個人型の確定拠出年金に加入することができるようになります。

(2)確定拠出年金の持ち運びを拡充(2年以内)
これまでは、確定拠出年金に加入していた人が企業年金のある会社に転職した場合は、確定拠出年金を続けることができませんでした。しかし、今後は資産を持ち運んで継続することができるようになります。

(1)(2)の改正により、誰でも個人型の確定拠出年金に加入することができ、しかも加入後に働き方が変わったとしてもずっと加入し続けることができるようになります。特に主婦や公務員が加入できるようになることは、社会的にも大きなインパクトがあります。

なお、専業主婦が確定拠出年金に加入する場合は注意点もありますので、詳しくは「専業主婦の加入は要注意!|確定拠出年金改正(2017年)」をご覧ください。

2.公的年金制度の今後と大きく関わる可能性あり

今回の法改正の目的は、企業型の確定拠出年金を普及を図るとともに個人型の加入者も大きく拡大させることといえます。

背景には、現行の公的年金を継続させることが財政的に難しく、いずれは公的年金を縮小せざるを得ないときがくるということがあるのではないでしょうか?

現行の国民年金は、自分が負担した保険料を将来のために積み立てるといったしくみではなく、今の現役世代が今の年金受給者の年金を負担しているというしくみです。超高齢化が進み高齢者の比率が高まることで、そのようなしくみが成り立たなくなるのは容易に予想できます。

本来であれば、このしくみを見直すべきところだと思いますが、多くの年金受給者や数十年にわたって既にこの制度のもと保険料を負担してきた人にとっては、制度が維持されなくなることは死活問題といえます。国としても抜本的な見直しに着手しづらいのではないでしょうか?

あくまでも私見になりますが、そんな中で、確定拠出年金、特に個人型にみんなが加入するようになれば、確定拠出年金の比率を徐々に高めて、その代わりに公的年金をゆるやかに縮小させていくといった政策をとることもできるのではないでしょうか?

いずれにせよ、今後、確定拠出年金の重要度が増してくると思われますので、確定拠出年金のことをわかっていない人は、概要だけでも理解しておくことが大切です。

3.確定拠出年金とは

確定拠出年金は、国民年金や厚生年金などの公的年金に上乗せして加入する年金です。ここでは、2016年7月現在の現行制度の内容を説明します。

日本の年金制度

3-1.企業型と個人型がある

確定拠出年金には、企業が社員への福利厚生制度の一環として導入する企業型と企業年金や企業型の確定拠出年金を導入していない会社の社員や自営業者が個人で加入する個人型があります。

確定拠出年金は、毎月掛け金を支払っていき、その掛金の運用方法を加入者本人が決める年金です。そして加入者が60歳になると、運用した掛金を一括または年金として受け取ることができます。

確定拠出年金の概要

  • 毎月、掛金を支払っていく
  • 自分の掛金が将来の自分の年金原資となる
  • 自分の掛金を自分で運用する
  • 60歳以降に一括または年金で受け取る

確定拠出年金の一番の特徴は、自分の拠出分を自分で運用して、その結果を自分で受け取るということです。

自分の拠出分が将来の自分の年金になるのは当たり前のような気がすると思いますが、実は、国民年金は自分が支払っている保険料を、将来自分が受け取るわけではありません。現在の現役世代が現在の年金受給者を支えるというしくみになっています。

一方、確定拠出年金は、将来の自分の年金について自分が責任を持つという制度になっています。

■確定拠出年金の拠出限度額

確定拠出年金のタイプ 拠出限度額(月額)
企業型 企業年金制度なし  55,000円
企業年金制度あり 27,500円
個人型 会社員 23,000円
自営業 68,000円

なお、2017年1月から新たに個人型の対象となる人の拠出限度額は以下の通りです。

確定拠出年金のタイプ 拠出限度額(月額)
個人型 会社員 企業型DCのみあり  20,000円
企業年金あり 12,000円
公務員 12,000円
専業主婦 23,000円

3-3.確定拠出年金のメリット

確定拠出年金には、以下のような税制上のメリットがあります。

メリット

  • 月々の掛金について税金が優遇される
    (個人の掛金は所得控除、企業の掛金は損金算入)
  • 運用益が非課税
  • 年金を受け取るときに所得控除がある(公的年金控除、退職所得控除)

個人型で掛金を自分で支払っている場合は、掛金が所得控除されるため毎年の所得税・住民税が安くなります。また、銀行の預金で貯蓄したとしても利子には20%課税されますので、確定拠出年金の運用益が非課税なのは大きなメリットといえます。

なお、個人型の掛金は所得控除され非課税となりますが、年金受け取り時には課税されますので、税金がかからないというわけではありません。したがって受け取り時の所得控除を上手く使う必要があります。

3-4.確定拠出年金のデメリット

確定拠出年金のデメリットとしては、以下のようなものが考えられます。

デメリット

  • 管理手数料が高い(個人型の場合金融機関によるが月額500~600円かかる)
  • 初心者には運用が難しい
  • 老後まで引き出せない

確定拠出年金の一番のデメリットは手数料の高さです。個人型に加入して月々5,000円ずつ掛金を拠出したとすると10%が手数料として取られてしまいます。会社員で個人型に加入し上限の月々23,000円拠出したとしても手数料率は2.17%となり、正直、手数料の負担は重いといえます。ただし、掛金の所得控除による節税分があるので、その分はなんと相殺できる計算です。

3-5.難しいが税金メリットは活用できる

確定拠出年金は、企業型で会社が掛金を出してくれているのであれば、個人としてはもちろんお得です。また個人型の場合でも、ここまでみてきたように税制上のメリットがありますので、うまく活用すればお得な制度といえます。

あとは、損しないように運用できるかどうかです。確定拠出年金の主な運用商品は投資信託ですが、投資信託にはリスクの高いものから債券型のように比較的リスクの低いものまでがあり、さらに定期預金などのような元本保証商品もあります。初心者であれば、まずは元本保証商品を中心に運用して、税金のメリット分だけでも活用するという考え方もできます。

4.まとめ:すぐに加入はしなくても概要は知っておくべき制度

今回の改正により、来年から主婦や公務員も個人型の確定拠出年金に加入できるようになります。預貯金や個人年金保険などと並んで老後の生活資金を蓄えるための手段として有効な制度です。特に税制上のメリットがあるという点では、有効に活用できる制度なので、すぐに始めるかどうかは別として、概要だけでも理解しておくべき制度だといえます。

なお、個人年金保険のしくみやメリットを確認されたい方は下記ページをご参照ください。
個人年金保険とは?|しくみと税金メリットを生かした貯蓄法

(記事更新:2017年2月1日)

※記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。
※掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。また個別の保険商品の内容については各商品の約款等をご確認ください。

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